メタバースやWeb3.0、注目されている単語という認識はありますが、それが一体何を指しているのか知らなかったので勉強しようと思い立ちました。
今回読んだ本は國光宏尚さんの「メタバースとWeb3.0」です。(アフィリエイトではないamazon リンク) ページ数
著者の國光さんは実業家の方で、出版当時(2022/04/01)も複数の企業の代表取締役を務めています。
自分なりの要点まとめ
メタバースとは
メタバースとはインターネット上の仮想空間、情報によって構築されたサイバー空間を指すそうです。メタバースは概念だと思っていたのですが、空間を指すんですね。メタバースを支える技術には、XR、すなわち、Virtual Reality (VR, 仮想現実), Argument Reality (AR, 拡張現実) そして Mixed Reality (MR, 複合現実) があります。この中で最もメタバースと関連が深い技術がVRです。
VRのベースとなるのは仮想空間です。ユーザーがあたかも仮想世界の住人であるかのように感じさせる技術がVRということになります。それに対してAR, MRのベースは現実世界です。ARは現実世界の情報にコンピューターで作成した情報を付加し、MRは現実には存在しない物体をあたかも実在するかのように投影することを可能とします。自分の理解では、VR と AR & MR は別物で、MRはARの発展形だと考えています。
Web3.0とは
インターネット上の情報を分散管理できる技術もしくはシステムを、Web3.0と呼んでいるそうです。現在のシステム(Web2.0)では、プラットフォーマーと呼ばれる人たち(YouTube, Google, Uber, など)が用意したプラットフォームを用いて、情報発信や情報収集を行なっています。
したがって、Web2.0ではプラットフォーマーによってシステムの安全性が担保されている一方、彼らがほぼ全ての情報を利用できるような状態にあります。例えば、youtuberが投稿した動画が削除されるか否かはYouTubeの匙加減次第ということになります。他の言葉を使うと、Web2.0は中央集権的なシステムであると考えることができます。
Web3.0の技術として代表的な例は、ブロックチェーンです。流通する情報を管理する組織が存在せず、システムのユーザー同士によって情報の信頼性が検証されている、らしいです。があまり詳しくないのでまだ説明できるほどイメージできてないです。重要な点は、Web3.0が主流になることで情報発信者自身が情報を管理できるということです。
メタバースとWeb3.0を活用するとどういうことが実現するか?
ブロックチェーン技術を用いたNon-Fungible Token (NFT)を活用することで、これまで複製が容易だったデジタルコンテンツが複製不可能になります。これは、「世界に一つしかない」という価値をデジタル世界にもたらすことにつながります。
一方で、メタバースを用いることで、「デジタル世界での生活」が可能になると考えられます。メタバースだけであれば、遠隔地にいる人とのコミュニケーションが容易になったり、現実世界では体験できないことを仮想世界で体験することができたりする程度だろうと思いますが、NFTを併用することでデジタル世界での経済活動が可能になります。
つまり、デジタル世界で人とコミュニケーションをとりつつ、デジタルな建築物や音楽等のコンテンツをデジタル世界で売買し消費することができるようになる、というわけです。仮想世界のオブジェクトが独自の価値を持つようになる、ということから、ゲームをしてお金を稼げる可能性もあるよね(笑)みたいな話もあるようです。
感想
コンピューターや数学みたいな抽象的な活動を日常的に行なっている身としては、日頃の反動からか、フィジカルなものに魅力を感じることが多いです。バーチャルで完結することが増えれば便利な点も多いだろうと考える反面、生き物としては現実世界を中心に生活する方が健全なのではないかなあ、とも思います。
こういう技術があってこういうことができます、ということと、それを世間が受け入れるかどうかは別の話ですが、技術の進歩はワクワクしますね。ChatGPTを中心に、大規模言語モデルやマルチドメインモデルも急速に進歩していますし、10年、20年後の社会がどうなっているのか、楽しみです。
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